前回の渡航編では、成田空港のカプセルホテル「ナインアワーズ」で前泊するところまで書きました。今回はいよいよ、モンゴルへ飛び立つ「移動編」です。
カプセルの朝、出発ロビーへ
ナインアワーズの狭いカプセルで目を覚ますと、「ああ、本当にモンゴルに行くんだな」という実感がじわじわ湧いてきました。
出発ロビーの電光掲示板には、ニューヨーク、バンコク、ソウル……と世界各地の行き先がずらり。そのなかに、ぽつんと「ULAANBAATAR(ウランバートル)」。便名はMIAT OM502、出発15時30分。自分の行き先が掲示板に光っているのを見ると、旅の実感が一気に高まりますね。

出発前のお楽しみ、JALラウンジの名物カレー
実は今回、便の予約にちょっとしたこだわりがありました。物理的に乗る飛行機はMIATモンゴル航空なのですが、あえてMIAT直販ではなく、JAL販売の便(コードシェア)で予約したのです。
理由は——このカレーが食べたかったから。
JALラウンジの名物といえば、あのビーフカレー。久しぶりに味わうこの一杯が、もう、たまりません。うまく言葉にするのが難しいのですが、とにかく美味しい。最近は冷凍パックも売られているそうですが、やはり旅の高揚感も相まって、その場で食べるのが格別です。この日は牛丼も付けて、我ながら欲張りなラインナップになりました。
「たかがカレー、されどカレー」。このために便を選ぶくらいには、私にとって旅の大事な一部なのです。

窓の外の駐機場では、色とりどりの飛行機が並んでいます。3月の成田は、まだ少し肌寒い空気でした。

いざ搭乗、MIATモンゴル航空 OM502
いよいよ搭乗。MIATモンゴル航空は、モンゴルのフラッグキャリア(その国を代表する航空会社)です。機材はボーイング737 MAX 8。座席前のポケットに入っていた安全のしおりが、モンゴル語と英語の併記で、「ああ、もう日本じゃないんだな」と早くも異国気分にさせてくれます。

機内は搭乗率9割ほどと、なかなかの盛況ぶり。見渡すと、日本人よりも圧倒的にモンゴルの方が多い。機内に足を踏み入れた時点で、もう「ひと足先にモンゴルへ来てしまった」ような気分になりました。
成田からウランバートルまでは、およそ5時間半のフライト。ヨーロッパほど遠くはないけれど、日帰りできるほど近くもない——この「ちょっと非日常」な距離感が、疲れきった日々からちょうどよく自分を引き離してくれました。
そして、夜のウランバートルへ
飛行機が高度を下げ、外がすっかり暗くなったころ、無事にチンギスハーン国際空港へ着陸。空港の建物には、赤いネオンで大きく「ЧИНГИС ХААН(チンギス・ハーン)」の文字。いきなりのキリル文字に、否が応でも「遠くまで来たな」という気持ちが高まります。

入国審査を抜けたころには、現地はすっかり夜。空港は、どこか閑散としていました。
さて、ここからが最初の関門です。市街地へ向かうリムジンバスはなく、Uberのような配車アプリも使えない。残された手段は「白タク(正規ではない、客待ちのタクシー)」だけでした。
まずは両替。とりあえず1万円ぶんをトゥグルグに替えます。幸い、現地に住む友人から料金の相場を事前に聞いていたので、ぼったくられないよう、iPhoneの電卓に金額を打ち込んで見せながら、あとは身振り手振りで交渉です。Wi-Fiはつながっても速度は絶望的に遅く、SIMカードを売る店もこの時間はもう営業終了。頼れるものが少ないなかでの交渉は、なかなかスリリングでした。
「このまま、どこか変な場所に連れて行かれたらどうしよう……」——正直、少しだけ怖かったのが本音です。それでも何とか交渉はまとまり、車は夜のウランバートル市街へと走り出しました。ちなみに物価は、日本と比べてやや安いかなという印象でした。
この日の宿は、なんとモンゴルの東横イン。異国の地で見慣れたあのロゴに出会うと、妙にほっとしてしまいますね。長い移動の疲れもあって、その夜は早めに休みました。
翌朝、そして次回はウランバートル市内編
翌朝、現地に赴任している友人と、久しぶりの再会。「久しぶりね」と、なんてことのない挨拶を交わすだけなのですが、遠い異国だと、それだけでどこか感慨深いものがあります。
こうして、長い移動を終え、いよいよモンゴル滞在が本格的に始まります。次回はウランバートル市内編。首都の街並みや、現地グルメについて書いていきたいと思います。それではまた。

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